オーディオ専用LANケーブルとは
巷でオーディオ専用LANケーブルと呼ばれるものが売られているようです。なんでも、このLANケーブルを使って再生された音楽はとても音質が良くなる、あるいはより原曲にちかいピュアなオーディオ再生が出来るとの触れ込みの商品です。
特徴としては、金メッキふんだんにつかったりノイズを受けないようにシールドを追加していたりし最終的には商品価格がとても上がっていくというものです。
SE(システムエンジニア)の視点としては
そんなものでネットワークの品質が変わってしまっては、我々の業界は大混乱です。パケットジェネレータと呼ばれる装置で、10Gbpsやもっと大量のパケットを投げつけて品質を検査することがありますがLANケーブルについてはリンクアップ(LEDが点灯)すればどんなケーブルを使っても変わりはありません。
問題になる場合は、わざと10Gbpsの規格に合わない古い世代のケーブルを使ったり明らかに損傷したケーブルを使った場合だけパケットジェネレータでエラーが出ます。
ノイズ軽減シールドの効果は?
前提としてノイズ軽減シールドは、シールド自体が接地(グランド接続)されていなければ意味がありません。STPケーブルと呼ばれており接続するルータやハブ、ましてはPCも全て接地に対応していなければノイズは軽減されません。
これらの設置をされていないノイズ軽減シールドはただ周りに無意味な金属が巻き付いているだけで何の意味もありません。
さらに言えば、ここでさしているノイズとは音質の良しあしを変えるものではありません。何らかの原因でパケットが壊れることがあるのですが、そういったリスクを減らすというだけであり、本当にパケット自体にノイズがのってしまった場合パケットは再送されるようにできています。
それでも意味があるとすれば…
ここまででオーディオ専用LANケーブルは全く意味がないものと現役SEの私が断言します。但し何事にも別の視点から見ると違った価値が見えることがあります。もしもオーディオ専用LANケーブルに何か意味があるとしたら、それは高いお金を払ったのだからもしかしたら音が良くなったかもというプラシーボ効果があるかもしれません。
※プラシーボ効果:偽薬効果ともいわれ、薬の見た目をしている砂糖玉を食べて本当に良くなったかも思い込む現象。
まとめ
オーディオ専用LANケーブルは全く意味のないものです。但し、良くなったと信じる事で見える世界があるかもしれません。