新築の家で自分で宅内LANを配線した話

実家が家を建て直した

ここ1年かけて実家が家を建て直していた。老朽化が理由であったが、どうせ新築ならと色々と手を加え注文住宅としていった。

インターネットだけ要求を付けた

正直、すごくどうでもいいところで私が要求を付けた。インターネット設備についてである。もともと要望がなければ各部屋に情報コンセントを付けたりするそうだ。

だが、宅内のインターネット配線はやらないでほしい。自分でやるのでカラ配管だけ通してくれと要望したのだ。

カラ配管を要望した理由は

一つ目の理由としては、金額面だ。配線をするのは工事業者でも出来るのだが、情報コンセントの終端部を工事するのはインターネットに詳しい技術者の人手が必要となる。配線屋さんとネット屋さんは別々の人間だ。呼べば2人分の給料を払う事となる。

といっても、金額面は実のところ大したことはない。3000万近い工事費にたいしてせいぜい5万円上がるかどうかだ。

二つ目の理由が主で、将来性だ。将来LANケーブル自体がなくなり、すぐに光ファイバーの時代が来るだろうと思っている。世間一般ではここ数十年間で電話線はなくなり全て光ファイバーに置き換わった。宅内配線についてもこの流れはすぐにやってくるだろうと思っている。

三つ目の理由が、単純明快だ。自分でやっても簡単ですぐ終わるからだ。どうせ年末年始暇であるなら、何かやることがあった方が良いだろうという事でカラ配管にしてもらった。

早速材料を買ってきた

配管にLANケーブルを通すのに買ってきた材料は

  • エレコム Cat5E 単線LANケーブル 50メートル
  • Cat6対応 ヨドバシ情報コンセント端子
  • ビニールひも

この3つだ。

前述のとおり、直ぐに光ファイバーの時代になると踏んでいたので、安いLANケーブルでいいだろうと思い適当に30メートル買ってきた。1Gbpsのリンク速度を保証するCat5E以上のものであれば何でもいい。しいて言えば単線の方が撚り線より施工しやすく,ノイズに強く(そうとも限らないが…),単価が安いといった傾向がある。

情報コンセント
こう見えて工具不要でつけられる

Cat6対応の情報コンセント端子は、正直なところ一度ケーブルを切ってよりを戻してしまうのでいくらCat6だCat7だといっても大差はない。安ければCat5E以上のもので何でも良いだろう。

情報コンセント
こう見えて工具不要でつけられる

ビニールひもは、カラ配管の中に垂らしたあと掃除機で吸わせる。逆側に出てきたひもにLANケーブルを括り付けて引っ張れば完成だ。

実際の作業

空きのカラ配線菅(以降CD菅と呼ぶ)を探す。当然だが、建築時にCD菅を要望していなければ探してもない。TV線も独立しているし、100Vコンセント用のケーブルはそもそも安全上NGということで、何かの配線の近くに一緒にあるのでは…という可能性は100%ありえない。

まずは空きCD菅を探す

次に中にビニールひもを入れ、固結びを繰り返し雪だるまのように大きくしていく。そこそこ大きくなったらCD菅に入れる。

逆側で掃除機を使って吸い込むが、ここで重要なのは掃除機のパワーではない。吸い込み弱ボタンでも十分にいけるのだが、菅とぴったりに掃除機をつけなければ何もおきないのだ。

掃除機には狭いところ用とか色々アタッチメントがあるが、CD菅に合うものなんて市販されているわけがない。仕方ないのでそこらに落ちていたビニールチューブをくっつけ継ぎ目をテープでぐるぐる巻きにしてなんとかCD菅にくっつけた。

逆に掃除機をCD菅にぴったり入れられる気がしない人はちゃんとした工事用のワイヤーを買い、先導線として通せば良い。ただし若干値段はする。(4,000円前後だったかな)

ビニールひもの先端にLANケーブルをつけて引っ張る

ビニールひもさえ通ってしまえば後は簡単だ。ひもの先端にLANケーブルをテープで巻きつけ引っ張る。この際2人で作業しないとLANケーブルに癖がついていたときにめんどくさい。できれば二人で作業したい。

最後に情報コンセントをつける

LANケーブルが無事開通したら、終端を情報コンセントに繋げる。工具はいらないがヘトヘトになってしまったためここで作業中断。コンセントは後にしてケーブルをそのまま無線LANルータに繋いで終わらせた。

カラ配管のデメリット

ここまで順調に配線したが、カラ配管にはデメリットがある。

それは断熱性の問題だ。最近の家は機密性が高く暖かい一方で、24時間ずっと弱い換気扇のようなものを動かさないと窒息してしまうレベルになってきた。そのための穴を作ることが義務付けられている状態だ。(通気口と言われる)

その通気口も、どういうルートで風が通るか計算しつくしてから住宅を設計する。その状態でカラ配管があると、微弱だが風の計算が狂う。

もちろんカラ配管を粘土などで塞げばいいのだが、何も考えずに配管だけあれば将来大丈夫だ!という考えの人は忘れて放置してしまう。そういう人は、そもそも配線には向いてないので住宅メーカーの提案通りに情報コンセントをつけてもらうことを推奨する。

まとめ

カラ配管を作っておけば、後で自由に配線できる。コスト削減は微々たるものだが将来の拡張性があるので、ネットワーク技術が趣味の人にはちょうどいいだろう。

ただし、通気経路に関しては留意すること。

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